今週のコラム
「戦争のない世界に向けて」 久保光則
私は戦争を知りません(体験していません)。祖父母、両親は戦争を体験していました。叔父は徴兵で戦争に行った経験がありました。幼いころ、一、二度会ったことのある大叔父(祖父の弟)は、戦争で右腕を失くしていました。今はもう、誰も生きていません。幼いころ、戦争の体験を話してくれたのは祖母でした。それほど多くのことを話してくれたわけではありません。それでも忘れられない内容です。母は、「つらい」と言ってほとんど語ってくれませんでした。戦後生まれの人口が84.5%(2021年現在)となり、その多くの方々は80歳を超えるご高齢です。20年後には、「自分の戦争体験」を語ってくれる人は、ほぼいなくなると思います。「悲惨な戦争が二度と起こらないこと」そして「平和な世界」を願った人たちの想いを、私たちはどう受け継ぎ、発展させていかなければならないのでしょうか。もっとも重要なのは、やはり「教育の力」だと思います。
「国」とは「そこに住む人々」です。「平和を創造する」とは、そうしたいと願う人を育てることです。「世界平和」という高い理想に敬意を払うことを強いる力を我々は持っていません。それならば、「世界平和」を何より尊いと思う人を育てるしかないのです。そのために私たちは、地域社会は、家庭は、そして学校は、どのような「人」を育て、教育を行ったらよいのでしょう。そのことをみなさんと考えることが、「教育スポーツアカデミー」の役割だと感じています。