今週のコラム
「学習指導における小中連携」 種村 保
義務教育学校の最大の強みは、小学校と中学校の教員が一つの組織の一員として同じ校舎にいることです。その強みを生かして行いたいことは、中学校教員による乗り入れ授業です。私は小学校在任中、2年生や4年生の外国語の授業の指導を行いました。学級担任の先生とのティームティーチングを行ったので、先生方と事前に打ち合わせを行い、授業で多くの英語を聴かせたり、会話をしたりしました。時には指導のアイディアを出したり、教材の準備をしたりもしました。英語の指導が苦手な先生にとっては、とても助かると言われたことを覚えています。
このように、英語以外にも理科や体育、家庭科などの中学校の先生が小学生を指導したり、技術や美術の先生が図工の指導をしたりすることで、子どもたちにとっては専門的な指導を受けられるだけでなく、小学校の先生方の教材研究の負担軽減にもつながります。さらに、学級担任以外の教員の指導を見ることで指導方法の研修になったり、自分のクラスを俯瞰的に見ることで生徒指導の改善にもつながったりします。
中学校の先生方にとっても、中学校の指導内容とのつながりを考えながら指導できたり、子どもたちとの人間関係も早くから構築でき、生徒指導に役立てたりすることもできます。中学校教員の負担が増え過ぎない範囲で実施し、効果的な学習指導につなげていきたいと考えています。それ以外にも小学校の先生が中学校での教科指導に関わることで、子どもたちが小学校課程のどの学習でつまずいてきたのかを知ったり、小学校課程の学習が中学校でどのように発展するのかを知ることで、指導方法を工夫したりすることも可能になります。