今週のコラム
第23回 「『朗読劇と音楽の集い』の参加を振り返って」 齋藤洋子
「朗読劇」は、本の原作の趣旨を生かしながら、その内容を観客に分かりやすく伝える読書活動です。演劇のように舞台に立ち声を張りますが、台本を持って行うため台詞を暗記するというストレスがありません。人前で話す自信はないけれど人と繋がりたい、何かに挑戦したい、本の素晴らしさを伝えたいと考える生徒にも取り組みやすい活動です。
今回八千代高校が選んだ『星の王子さま』は、愛情・友情・時間・絆など、内容の奥深さが大人の琴線にも触れる作品です。名著であり、書名だけは誰もが知るロングセラーながら、読破したことがないと語る人が多い本でもあります。実際この活動がきっかけで、原作を読んだ生徒が複数いました。必要に迫られ、どう表現すればいいのか悩むことで、目的意識を持って主体的に読み進められたようです。この挑戦によってこの本は、彼らにとって忘れられない一冊になったはずです。今回の取り組みが児童・生徒だけでなく大人も含めて『星の王子さま』を読む呼び水になることを願っています。それが「朗読劇」という活動の醍醐味だからです。
地域と教育活動、読書活動の融合など「本と人を繋げる」取り組みには大いなる可能性を感じています。多くの児童・生徒が経験を基に成長できるよう、更に体制を整えていきたいと考えています。来年度も児童・生徒の成長と飛躍、読書活動推進と地域活動活性化のため、惜しみなく力を尽くしたいと思います。