今週のコラム
第28回 「時間の使い方について」 湯浅康雄
昨今は働き方改革が話題となり、実際に行事内容の精選や会議の簡略化、教科担任制の導入などの対策が取られている。残業時間を管理して月ごとに集計をするようにもなってきた。
私は今年度の初めに家族が増え、働いていく中で時間の使い方が大きく変わった。業務内容が変わったことはもちろんだが、それ以上に家庭のことを考えて時間の使い方をより意識するようになり、これまで以上に時間が凝縮され、同じ1分がなぜか違うように思えるようになった。そしてこの気付きがきっと「働き方の本質を変えられる」のではないかと思うようになった。
現状で行われている対策は、時間を取られないことで自分の時間ができ、業務に使うことができるので、確かに目に見える対策としては大きな功績となっていると思う。しかし本当にそれは「働き方の本質」を改善することになっているのか。
そもそも私たちのやるべきこと、「本質」は何なのか。それは子供たちに学力や社会生活の基盤となる見方・考え方を身に付けさせることだと考える。ならば、研修や行事を精選するだけでは時間が使えるようになっただけで、「働き方」ということに関していえば、時間は短くなったが、本質はまだ変わっていないと思う。もちろん、短期的に見ると変わっているのだが、長期的に考えるとただ子どもの学力低下を招いたり、時間の使い方によっては仕事の効率が悪くなったりしてしまうのではないかと考える。
時間と意識の両方へ改革を働きかけていくことが必要であると考える。私自身も「働き方の本質」が変えられるように日々努力していきたい。