今週のコラム
第29回 「私からの提言」 齋藤敏夫
街なかの会計事務所の主な仕事は会計・税務に関することが中心で、地域の中小企業が主なクライアントを構成しています。しかし、記帳代行を中心としたニーズは安価な会計ソフトの出現で年々減少しつつあり、自計化の方向にシフトしていて、クライアントが望むニーズは相談業務が中心です。
そこで、助言に必要な資質と養成が必須となってきています。そんな中で、2001年ごろわが事務所の目指す経営理念を中核に所謂「経営のシェルパ」たることを体系的に纏め最近、包括的なわが事務所の「OUR STYLE(我々の流儀)」を宣言しました。此処で謂う「シェルパ」とは、高度な判断と勇気を備え、登山隊の目指す登頂を成功へと導くスペシャルで高度な能力を備えた人材の事です。
つまり、町の会計事務所は企業経営や個人の承継に関しサービスを提供する集団であり、そのための人材育成が必須ですが、適材の発掘と養成は重要です。その中心はやはりOJT中心です。現場で数と場面を多く経験することが必要になります。
最近の日本の現状を見ていて気になる事は、多様性への受容度や世界的危機への対応に果たす役割への重要度が軽視されているように思います。NHKが放映する「世紀の映像(独裁者の世紀)」を見ていて、イタリアからの青少年交換留学制度で来日していたイタリアのフェルディナンドが、「若者が世界に知り合いを持てば戦争に為らない。」と言っていた言葉が鮮明です。今こそ「和魂洋才」が必要ではないでしょうか。
<< topページに戻る